サッカーボール

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今日、たまたま思い出した。ある二つの事件を。

小学生の頃、僕は地元のサッカークラブに入っていた。
そこで、公式戦のようなものがあったのだが、僕はそれに上級生に混じって出場していた。
10年ほど前だ。記憶は鮮明ではないが、ある二つのシーンだけを今でもはっきりと覚えている。

一つ目はこうだ。

僕はゴール付近にいた。
チームメイトには焦燥が見られる。多分負けているのだろう、それか同点だ。
始まってすぐではなく、試合時間はあまりないだろう。

その時、僕の裏太ももにすごい勢いで何かが衝突した。ボールだ。
「邪魔やろ!」
僕はそう言われた。ボールを蹴った上級生は怒っているみたいだ。

渾身のシュートが、ゴールではなく僕に命中したみたいだ。

今にして思えば、邪魔やろというのは、ひどい言葉だ。
その時のその存在が邪魔かどうか、それを主観で決めるのはいけない。
その時のその存在に対応したプレイをするべきなのだ。

当時の僕は、そんなこと考えることもなく、ただただ裏太ももの痛みに耐えていた。
誰も僕には構わず、チームメイトの全てが意気消沈していたと思う。

そもそも裏太ももにボールが当たるというのもおかしな話で、僕はその時、ボールなんて見ずにゴールの方を見ていたということだ。
今にして思えば、しっかりボールの位置を確認し、シュートをしやすいような立ち振る舞いをするべきだったが、後の祭りだ。

二つ目はこうだ。

僕はコートの真ん中らへんにいた。
そこで、友達が敵チームにいることに気づき、その子と「やあ、元気?」みたいな話をしていたのだと思う。
その時、僕は何かが僕の真上に飛んできたのを感じた。ボールだ。

ゴールキーパーが蹴ったボールは僕の真上に飛んできて、僕は避けることも出来ず、又はそういう選択をしたのか、思いっきりヘディングをした。
そのヘディングは、ちょうど敵のゴールの方向にめがけて飛んでいった。

「ナイスヘディング!」
僕はそう言われた。それは、もしかしたら皮肉だったのかもしれないが、結果的にそれは紛れもなくナイスヘディングだったのだろう。

ヘディングと言えば、通常はおでこにボールを当てるイメージだと思う。
その時の僕は頭のてっぺん、ほとんどつむじにボールを当てていた。滑稽なヘディングだっただろう。

これら二つのシーンを何の気なしに思い出していたのだ。

サッカーの試合中に、想定される動きをしていない僕に対して、起こった二つの事件。
一つは邪魔になり、一つはナイスプレイになった、それだけといってしまえばそれだけだ。
ただ、振り返れば二つにあまり相違はない。

僕はヘディングを思いっきり変な方向に飛ばした場合や、奇跡的にシュートが僕にかすることによってゴールになった場合を考えていた。

おおよそ、行為が結果の良し悪しを定めるのではない。
良いことにも悪いことにも、大差はない。
そう考えると、色んなことがどうでもよく思えたり、はたまた元気が出たりするのだ。

今日はここで終わり。たまたま思い出した話。

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