正規直交基底と内積の関係性

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「メトリックを取り替えるということと基底を取り替えるということは実質一緒なんで」

先生のこの言葉は、衝撃的だった。

基礎的なことがわかっていなかったと思うと同時に、これは意外と知られていることではない気がしたので、記事として書いておく。

数式を書くことは体力を使うので、言葉だけで説明していこうと思う。

先生がメトリック(計量)という言葉を使ったのはどういうわけかあまり理解していない。それは、内積という意味ではなかったのかもしれない。

ただ考えていくうちに、内積を取り替えるという行為と、正規直交基底を取り替えるという行為が対応していることを理解できたので、そのことについて以下に記す。

内積を取り替えるというのは通常の内積から独自に定めた内積に取り替えるということを意味していた。

例えば、通常の内積における正規直交基底として、(何を取っても良いが)標準基底を取る。
ここで、通常の内積から独自に定めた内積に取り替えたとしよう。
この時、標準基底はもう、正規直交基底になっている保証はない。
だが、これらは基底であることに変わりはないので、この標準基底から、独自に定めた内積による正規直交基底が、シュミットの直交化法によって生成される。
こうして生成された正規直交基底においては、独自に定めた内積と通常の内積が同一視できる。これは、正規直交基底の性質によるものである。

よって、内積を取り替えることによって得られる何かの主張は、基底の取り替えによっても(内積を取り替えることなく)得られるのだ。

任意の基底が、正規直交基底となるようなある内積を持つということは確認できていない。
たぶんそのような内積はあるのだろうなとは思いながらも、その内積を、基底から導き出すことは難しいようにも思える。

基底の取り替えによって得られる主張が内積の取り替えによっても得られるという事実があれば、なお綺麗だと思う。

不確かなことは言えないが。

以上、正規直交基底と内積のお話でした。

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