映画Love & Other Drugsを観たので感想と考察を記す
登録していたAmazon Prime Studentのお試し期間をすっかり忘れていた僕はうっかり有料会員に成り上がってしまった。
1年間1900円、せっかくなので何か映画観るかーと適当に映画のリストを見て、アンハサウェイが出てるので観てみようと思った。
「Love & Other Drugs」直訳すると「愛とその他の薬」。
ちょっと何言ってるかわかんないですね。
どんな内容なのかについてTwitterにでも書こうかなと思ったのですが、ちょっと長くなりそうだったのでブログにレビューを含めて書いておきます。
ストーリー概要
プレイボーイの男ジェイミー(ジェイク・ジレンホール)と若年性パーキンソン病患者のマギー(アン・ハサウェイ)の恋愛を描いた映画。
ジャンル的にはラブコメとなるらしい。確かにこのテーマでコメディ要素がなかったらテンションが地に落ちてしまうだろう。
プレイボーイ×難病というと、高校生の頃英語の勉強に見ていた「50 First Dates(50回目のファーストキス)」もこういう構図でしかもラブコメ。山田孝之さんと長澤まさみさんで日本版も作られている人気作だ。
話を戻そう。
先ほどジェイミーがプレイボーイと言ったが、マギーもプレイガール。(そんな和製英語あるのか知らんが)
二人は段々恋に落ちて行くんだけど、二人とも人を愛したことはこれまでにない。
パーキンソン病というのは手足が震えたりする難病だ。マギーはこの病気にかかっているが故に真剣に人と愛し合うことを避けているという印象で、優しくするジェイミーに対してついヒストリーを起こすこともある。
そうしてお互い仲良くするうちにジェイミーは人生で初めて「I love you.」という言葉を口にする。この時マギーは戸惑いながらも「I love you.」と返すことはなかった。
そんな中、とあるきっかけで「パーキンソン病患者の会」に参加したマギーはパーキンソン病を患った人がマラソンやスキューバダイビングなど病気に負けずに挑戦していることやパーキンソン病患者が明るく暮らしていることに感銘を受け、ようやく病気の自分を受け入れることができたようだった。
そうして彼女はようやくジェイミーに「I love you.」と伝えることができた。
しかしこの時ジェイミーは「I love you.」と返すことはなかった。「パーキンソン病患者の会」で妻がパーキンソン病患者である初老の男性と話したジェイミーは彼にアドバイスを求めた時に「今すぐ綺麗さっぱり別れることだ」と告げたのである。彼曰く「妻のことは愛している。しかし病気が彼女を別人に変えた」ということだ。
それからジェイミーはパーキンソン病を治すために奔走するが、効果的な治療法は見つからない。
「病気の私では愛せないのか」と問うマギーはジェイミーに別れを切り出す。
現在と未来の葛藤
やはり一番衝撃的だったシーンは「パーキンソン病患者の会」での初老の男性との会話だ。
「病気が彼女を別人に変えた。今すぐ別れるべきだ。」という男性の意見を笑い飛ばせなかったのは、自分が初老になった頃、同じセリフを言っているのかもしれないという恐れがあったからだろう。
ジェイミーは「今がとても幸せだ」と言う。しかしこの今の幸せは未来の不幸を持ち合わせていると気づいているのだろう。
未来の自分が現在の自分に「マギーのことは忘れた方が良い」とアドバイスをする。そうした方が未来の苦労が減るのは目に見えている。
しかし現在の自分は「この目の前にある幸せを捨てること」の難しさを知っている。
掴むことは勢いだけでなんとでもなることが多いが捨てるのには勇気が必要なのが人間関係の常だ。
この現在の自分と未来の自分との葛藤はリアルな描写だと感じた。
愛とその他の薬
最終的にハッピーエンドとなるのは、別れるのに必要な勇気の巨大さに屈服したとも言えるだろう。もしくはそれこそが愛の力とでも言うのか。
長期的には不合理とも言える判断を、愛が生み出す。
愛とは何か。同情か、同情を超える不合理か。そんなことをふと考える。
ここでタイトルに戻ろう。「Love & Other Drugs」この映画を観終えるとタイトルの意味がわかる。
愛とその他の薬。マギーは今まで病気を超えるためにいくつもの薬をもらっていた。だがそのどれもが、彼女の心を真に安らがせるものではなかった。
本当にマギーの心を支えたのは、ジェイミーの愛だったのだろう。
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