最高の新規サービスの作り方

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CAMPHOR- Advent Calendar 2017 の 3日目の記事です。

 

第0章「まえがき」

特に何もしたわけでもないのに疲れて、ベッドで眠りに落ちる数秒手前。
ふと新規サービスのアイディアが湧いてきて、「いけるぞ!」なんて一人で呟きながらベッドがら飛び起き、部屋の同じ場所を何度もくるくると回る。

それに伴う苦労は目に映らず、なぜかサービスが上手く回っている未来が、暗い部屋を明るく照らし出す。

サービスを作ろうと、実際に手を動かすのは時間がかかるし、正直めんどくさい。
新サービスの妄想をするのは、時間はかからないし、楽しい。
僕はそう思っています。

ただ、現実を見よ、と言わんばかりに部屋の電気をつければ、そこにはサービスを開発するにあたって大小様々な弊害が転がっているのです。

そこでこの記事では、「新規サービスを開発したい」と思ってから、「サービスのアイディアを出したい」となって、「アイディアは出たけど、次は何をしよう」と至るこのフローにおいて、僕が気づいた知見をまとめようと思います。

軽く自己紹介をすると僕は直近ではDr. Numbersというサービスを開発し、最近は最高の新規サービスを作ろうと躍起になっています。

 

第1章「サービスを考える人」

この記事は、どうしても自分の手で世界を変えるような新サービスを作りたいと思っている人や、趣味で何回か自分でサービスを考えたことがある人、これからサービスをなんとなく作りたいと思っている人に向けて書いています。

そこで、今の情熱やモチベーションを絶やさないようにするために、覚えておいて欲しいことがあります。

それは、サービスを考える人は偉い、ということです。

自分が考えたサービスがめちゃめちゃしょぼいとか、誰かに相談したら、ボコボコにされたとか、そんなことは些細なことです。

なんでも自分でやってみる姿勢。これは本当に大切です。

新規サービスについて真剣に考えると、サービスを見る目が変わります。世界を見る目が変わると言っても過言ではありません。

これは作詞作曲を自分でしてみることで、音楽を聴く耳が変わり、知識の幅も格段に広がるようなものです。
音楽の素人が、五線譜にノリで音符を散りばめて出来上がった初めての楽曲が、歴史に名を残すような名曲になることはまずないでしょう。

最初は完成品など出来なくて良いのです。それよりも一歩前に踏み出した時点で、大きな進歩だと思います。
試作品をどんどん作ってみましょう!自分でやってみる人、偉い!

 

第2章「アイディアがないのですが」

よし!サービス開発するモチベーションが高まって来たぞー!!!
こんな時があると思います。

どうせなら、最高のアイディアで勝負したい。でも、アイディアがない。アイディアさえあれば。アイディアよ、天から降ってこい…!!!

こんな人に朗報です。

アイディアは永遠に生まれません。

アイディアは生み出そうとしなければ、生まれないのです。
四六時中考えているから、ふと湯船で気を抜いた時や夢の中で数学の問題が解けるのであって、ちゃらんぽらんに生きている人間が、急にフェルマーの最終定理の証明を思いつくわけはないでしょう。

ここからは、僕が実際に行ったアイディア創出方法を伝えます。

 

とにかく出す

まずはとにかく今ある知識でアイディアを出す。
これはブレインストーミングなど決まった方法でやる。
実際に今からやってみよう。本当は大勢でやった方がいいんだけど、今回は一人でやる。

出来た。

今回のお題は「楽しいこと」。自分はこんなに単純な頭だったのかとがっかりしつつ、出て来たアイディアを組み合わせていく。
例えば、「美女とチャットしながらオンラインゲームができるサービス」「美女とコンビを組んで漫才のトーナメントを勝ち進むサービス」「美女の愚痴を聞き続けるサービス」
こんなところだ。

って、美女ばっかりやないか!


アイディアを生み出すことが目的なので、アイディアは生まれたということで、次の手法に進む。

 

色んなサービスを研究する

サービスを作りたい!
そんなことを言っていた僕のiPhoneは、アプリで溢れているわけではなかった。

実際、僕は毎日色んなサービスを使っているわけではなく、めんどくさいからアプリのインストールなんてしなくて良いやと思っていた。
また、「新しいサービスが出たよ!」と話題になったとしても「あー、そんなサービスが出たんだー」と素通りするか、よほど気になるものでない限り、実際に使って見ることはなかった。

サービス開発と向き合う中で、やはり幅広くサービスを知ることは重要だと感じることになり、僕はアプリを手当たり次第インストールしまくった。

アプリをインストールするという行為の心理的ハードルを、メッセージを送るという行為ぐらいまでに下げることは、アプリ開発や市場調査に置いて必要不可欠だと思う。

例えば、先ほど「美女」というキーワードが上がったが、AppStoreで「美女」と検索すると、一番上に「美男美女診断」というアプリが出てくる。他にもいくつかインストールして、アプリ同士をまとめてフォルダに入れる。以前まで、アプリのフォルダなんて滅多に使わなかったが、今は違うのだ!

さて、美男美女診断をしてみる。五段階評価の、真ん中!Bランクだ。こうしてランク付けされると、意外と悲しい気持ちになる。多分Cランク以下なら立ち直れなかっただろう。
2回目、ちょっとカッコつけて診断してみる。…Cランクだ。
カッコつけたらブサイクになることがわかった。
3回目、もう一度ナチュラルにとってみる。…Aランクだ!めっちゃ嬉しい。
その後、何回か試すも、Sランクが出ることはなかった。

話が逸れた。僕の顔が何ランクか、大抵の人にとってはどうでも良いこと極まりない。

新規サービスを開発するにあたっては、ランキング上位のアプリをごそっとインストールするなどして、色んなサービスに触れてみるのが良いと思う。
ふと思い立った時に、アプリを検索して、インストールして、遊んでみると、サービスを見る視点が広がるように思うし、自分でサービスを考える際にもいい参考になるかと思う。

ちなみに、「美女 サービス」で検索すると、ERANDE(美女に服のコーディネートをしてもらうサービス)が出てきた。こんなサービスがあるのかと感心する。ユーザーの動機としては遠くない気がした。

 

既存のサービスのカテゴリに属するサービスを考える

全く新しいサービスなどないだろう。
時代の流れの中で、何かと何かが組み合わさり、新サービスが生まれる。
そこで、ある分野に狙いを定めてアイディアを絞り出すのは効果的となるのだ。
例えば、メッセージングというカテゴリで言えば、日本ではLINEが主流で、SlackやMessengerもよく使われるが、WeChatやWhatsAppやViberやTelegramなど様々なサービスがある。
このカテゴリで何か新しいサービスを作ろうという出発点からサービスを考えるのも、考えやすいのだ。

例えば、メッセージングサービスで言えば、縦書きに特化したメッセージングアプリ、1日に1通しか送信できないメッセージングアプリなど、色々なアイディアが考えられるだろう。

他にもマッチング系のサービス、フリマ系のサービス、SNS、動画配信サービスなど、自分が気に入ったカテゴリベースでアイディアを考えるのは有効だろう。

ある会社に注目して、そこが展開している事業を研究してみるというのも有効的だろう。
今までに知らなかった分野に出会うことができるからだ!

 

第3章「アイディアはあるんですが」

やっとの思いで新規サービスの候補をいくつか見つけたとしましょう。
しかし、そのサービスの卵を実際に開発するために、アイディアの洗練や、フィルタリングをすることになります。

この章ではそのアイディアをブラッシュアップしたり、フィルターしていく過程を見ていきましょう。

 

類似サービスがあるか。

そのサービスが一見良さそうに見えれば見えるほど、既に誰かが似たようなサービスを作っている可能性が高いです。
完全に同じサービスなら、そのサービスを今から、作り始める必要はないでしょう。
似ているサービスがいくつかあるなら、それらを研究して、独自のサービスの強みを探すことに意味があります。

先ほど出た、「美女とチャット(通話)しながらオンラインゲームができるサービス」を例に考えてみます。
これは美女と男を結びつけるマッチングサービスと言えるでしょう。類似サービスを探します。
「オンラインゲーム 仲間募集」と検索するとエキサイトフレンズというページがトップヒットしました。
ここは、掲示板でオンラインゲームの仲間を募集しているサイトのようです。他にもいくつか検索して見ると、掲示板のようなものは散見されますが、マッチングシステムは見当たらないです。

ある程度独特なアイディアだけに既存サービスがなかったですね。

ポイントは、アイディアが生まれたなら、類似サービスをGoogleやAppStoreで検索にかけまくるべしということです。

これはどんなにやり過ぎても過剰ということはないでしょう。

実際、検索漏れがあり、アイディアを誰かに話した時に「こういうサービスが既にあるんだけど…」と類似サービスを指摘されることがよくあります。

類似サービスとの違いを自分なりに考えておきましょう。

 

ユーザーは本当に使うのか

アイディアがどんなに独特でも、ユーザーに実際に使われなかったら意味がありません。

少なくとも、このサービスを使うユーザーのメリットやデメリットを考え、サービスがうまく回りそうか考えます。先ほどの例を見ましょう。

ユーザー目線で、このサービスを使うことによって、どんな得があるのかを考えます。それと同時に、サービスをもう少し具体的なものにしていきましょう。

まずは、男。これはお得なことばっかりですね。ゲームが楽しいだけでなく、美女とゲームできるという体験を得ることができます。次に美女側ですが、周りにゲーム仲間があまりいないことが考えられるので(これは仮定で、データをとる必要あり)、仲間を探すという目的を達成することができます。

このままでは少し男性側が過剰な利益を得ることになり、うまくサービスが回る気がしないです。また、女性の数の方が男性の数よりも少ないことも想像できます。
すると、ここは需給の原則により、男性がお金を払って女性とプレイする権利を得る、とするのが自然に思えます。女性は、ゲーム仲間ができて、ファンができて、お金がもらえるという構造になるのです。

こういった風に、ユーザーが本当に使うのかを考え、また、時には市場調査としてインタビューなどをして実証していく必要があるでしょう。

真剣にサービスを考えるなら、ここに時間をしっかりとかけるべきだと思います。

 

サービスが魅力的かどうか

サービス開発には時間がかかります。

勉強のために、とりあえずサービスを作ってみるという姿勢は、初めの段階では良いかもしれませんが、サービスをいくつか作ってみると、じきにこの姿勢では続かなくなってしまいます。

雑な案のまま開発を行うと、要する時間的・体力的苦労に比べて反響が少ない確率が高いからです。

特に僕のように、サービスをブラッシュアップすることよりも、新しく考えることの方が好きな場合は、「もうサービス作るのいいや」となってしまう場合が多い気がします。

ですから、真剣に打ち込みたいサービスであればあるほど、サービスの機能、強み、本当に使ってくれそうな人がいるかを考え、調べた上で開発を始めるべきだと思います。

このサービスに自分が本当に情熱を持って取り組むことができるか

それを考えるのが最後のフィルターになります。

そのサービスが革新的かどうかであったり、本当に自分がやりたいことかを考えます。
これによってもアイディアの数は結構フィルタリングされるでしょう。

先ほどの例でいうと、「美女とチャット(通話)しながらオンラインゲームができるサービス」は、あんまり革新的に思えないので、このアイディアのままだとボツになるでしょう。

ただ、ボツになったアイディアも、少し対象を広げたり、別の要素を付け加えると、いいアイディアに生まれ変わる可能性もあります。

無駄なアイディアなんてないことを胸に次のアイディアに進みましょう。

 

第4章「仲間がいません」

最高のアイディアを見つけても、仲間がいない場合があると思います。
真剣に新規サービスを開発するためにはデザイン、フロントエンド、バックエンド、ぐらいのざっくりとした役割で最低でも3人ぐらいはチームが欲しいところです。

ただ、お金を支払えないのに、一緒にサービスを作ってくれる人は、ほとんどいないでしょう。

これに関しては、僕も解決策がわかりません。頑張って口説きましょう…。

ただ、一つ言えるのは、知り合い程度のエンジニアが、”ビジョン”に共感して仲間になるということはほとんどないと思うので、まずは仲の良い友達を誘った方がいいのではないかということです。

仲の良い友達を口説く時にも、気を抜かずに、サービスがイメージしやすいようにプロトタイプなどを作ってしっかりと魅力を伝えましょう。

僕はそもそも友達を募集しています。みんな、仲良くなりましょう!

アイディアが定まり、仲間が見つかり、開発を始めた後、どうしたらいいかは僕もわかりません。そしてこの記事ではそのノウハウを紹介するつもりはないです。

後はまあ頑張ってください。

 

第5章「サービス開発は楽しいですか?」

まず、アイディアをひらめいた瞬間、これは間違いなく楽しいでしょう。次に、そこからサービスをリリースするまで、これは結構しんどいです。楽しいこともあるかと思いますが、僕は総合的にはしんどさが勝つと思っています。

そして、最後に、これが最も重要なことですが、ユーザーにサービスが届くことは、めちゃめちゃ楽しいです。
新規サービスの妄想をするよりも、それが現実になる瞬間の方が楽しいように思います。

初めてiOSアプリをリリースして、いくつかインストールされていることを確認した時には、嬉しくて手が震えました。深夜に家を飛び出して「よっしゃ!よっしゃ!」と一人で呟いて徘徊していました。

面白かったよ!と感想をもらうことも、とても嬉しかったです。一人でニヤニヤしていました。

総合的に見たら、楽しいと思います。でも、サービス開発はそれなりに大変です。

数学でいうと定理の証明のようなものです。美しい定理があると知った時、まずテンションが上がります。次に証明の解読をすること、これは時間もかかるし、しんどいです。でも、証明を全て理解した時、清々しい喜びに満ちあふれることになるでしょう。

僕はまだ、三平方の定理やフェルマーの小定理を示したぐらいです。
しかしいずれ、フェルマーの最終定理や未解決問題に挑戦しようと思っています。

新規サービス開発は、いばらの道。
夢に溢れた、いばらの道。

その道を突き進み、未来を切り拓くことは、本当にやりがいがあることだと思います。

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