デカルトの『方法序説』の要点を10分で理解する。【前編】
- 2017.02.25
- 学問
どうも、ブログ放置するのかと思いきや意外と細々と続けている、そんな僕です。
今日は哲学の本を紹介しようと思います!!!
デカルトって誰やねん
これがデカルトだ!
めっちゃオシャレでイケメンやん。髪型とかめっちゃいい感じやん。
僕は哲学者に詳しくなくて数学が好きなので、デカルトというと平面座標を発明した人というイメージがまずあった。
ただ、「我思う故に我有り。」というめちゃめちゃ有名なセリフを残した人なんだよと言われると、それがデカルトだったのね!となる。
いやあ、「我思う故に我有り。」ってすごくいい言葉やと思います。
フランス語で言うと “Je pense, donc je suis.” らしいです。
哲学書はラテン語で書くという風習がある時に、デカルトはフランス語で『方法序説』を書いていて、そこで “Je pense, donc je suis.” が出てくるんですね。
フランス語の超初級レベルの文法しか使っていませんけど、こうやって実際に使われる表現に触れたら語学を学びたい欲が高まりますね。
話が逸れました。
デカルトは「我思う故に我有り。」っていう名言を残した他にも、論理学や数学や哲学などをしっかり勉強していたり(平面の点を二つの実数で表すという、座標平面という概念を発明した。)、神様の存在証明なんかもしていた人です。
この文章に出てくる引用箇所はすべて『方法序説』からの引用です。
『方法序説』ってなんやねん
『方法序説』というのはデカルトが41歳の時に初めて公刊した著作で、屈折光学・気象学・幾何学に関する長〜い(全体で500ページを超える)論文の序説に当たる部分だ。
『方法序説』というのは略称で、正式には序説の部分は『理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法序説』という名前になっている。
「方法」に関する著書なのかな、という感覚。
全体の概要を述べておくと、六部で構成されており、
- 一部…学問に関する様々な考察。
- 二部…デカルトが探求した方法の規則について。
- 三部…デカルトがこの方法によって導き出した規則について。
- 四部…神の存在と人間の魂の存在を証明する論拠。
- 五部…デカルトが探求した自然学の諸問題の秩序。
- 六部…デカルトが自然の探求においてさらに先に進むために何が必要と考えているか。
という風になっている。
これから、僕が気に入ったええ感じの言葉を勝手に抜き出してそれを伝えようと思う。
一部「学問に関する様々な考察。」
デカルトさんはヨーロッパの有名な大学でめちゃめちゃ勉強を真面目にしていたという。
他の人が学んでいたことはすべて学んだ。しかも、教えられた学問だけでは満足せず、最も秘伝的で稀有とされている学問(占星術や錬金術、手相術、光学的魔術など)を扱った本まで、手に入ったものはすべて読破した。
と言っている。
ここまで言い切るのだから、すごく勉強をしていたのだろう。
しかも占星術とか手相術を勉強していたとか、興味深い。
確かに何かしらを占ってくれそうな風貌してるかも。笑
勉強に対して真面目な人なのだな、と思っていた。
ただ、驚いたことに、デカルトは教師たちへの従属から解放されるとすぐに、文字による文学(人文学)をまったく放棄して、青春の残りをつかって旅に出たという。
デカルトが旅に出ていたというのはなんだか意外だった。
また、デカルトは本を読むことに関してこのように言っている。
すべて良書を読むことは、著者である過去の世紀の一流の人びとと親しく語り合うようなもので、しかもその会話は、彼らの思想の最上のものだけを見せてくれる、入念な準備のなされたものだ。
この考えが僕は好きだ。だいたい、現在にええことを言う人達も、昔の偉人が言っていたことの焼き回しなんだろうなと思うし、だったら有名な哲学者とかが書いた本を読んでみたいって思う。
ほかの世紀の偉人と会話できるって、手軽なのに貴重すぎる体験だなと思うのだが、デカルトは、本を読むことが旅をすることに似てると言う。
さまざまな民族の習俗について何がしかの知識を得るのは我々の習俗の判断をいっそう健全なものにするためにも良いことだし、またどこの習俗も見たことのない人たちがやりがちなように、自分たちの流儀に反するものはすべてこっけいで理性にそむいたものと考えたりしないためにも、良いことだ。けれども旅にあまり多く時間を費やすと、しまいには自分の国で異邦人になってしまう。
本を読んで、時代に合わない思想に興味を持つ気持ちも、旅に出た後に、自分の周りの習俗が馴染めなくなって異邦人みたいになることこともすごく共感できる。
そして、勉強に関してデカルトさんが語った中で、「おおお!」ってなったセリフがこちら。
わたしは何よりも数学が好きだった。論拠の隔日制と明証性のゆえである。
もう、この言葉を見つけた時点で、デカルトさん良いね!ってなりました。
続いてこう言う。
数学が機械技術にしか役立っていないことを考え、数学の基礎はあれほど揺るぎなく堅固なのに、もっと高い学問が何もその上に築かれなかったのを意外に思った。
うーん…。
この世界の全ての現象の背後には数学が存在しているわけで、もっと高い学問がその上に築かれていないというのがどういうことかわからない。
全ての学問が数学の上に築かれていると言っても過言ではない気はする。
でもそんなことはデカルトさんもわかっていただろうから、もっと高い学問というのが何を意味していたのかというのは結局真意がわからないなあという感想だ。
とりあえず、勉強の大切さを熱く語っているデカルトさんは、なんだか良い印象だなと思った。
二部「デカルトが探求した方法の規則について。」
デカルトさんはこんなことを言っている。
論理学を構成しているおびただしい規則の代わりに、一度たりともそれから外れまいという堅い不変の決心をするなら、次の四つの規則で十分だと信じた。
第一は、わたしが明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意ぶかく即断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何もわたしの判断のなかに含めないこと。
第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分解すること。
第三は、わたしの思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。
そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること。
この方法は様々な課題に適応できそうだ。噛み砕いて言うと、
- 本当に当たり前なのかを熟考する。
- 検討する難問を細かく分解する。
- 順序立てて認識を深める。
- 全体を復習する。
という四段階に分けられる。
こうやって見ると、なんだか数学の問題を解いている感じがする。
そして、この世界におけるあらゆる問題はこうやって解いていかれるのだ!と言われたら、確かに…という気になる。
当たり前なのかどうかを熟考することは学問においてとても重要だし、復習は試験なんかでもやっぱり重要よな。
というゆるい感じに僕は捉えている。
三部「デカルトがこの方法によって導き出した規則について。」
住んでいる家の立て直しをする時に、全部取り壊して図面を引いて建築して…とする前に、工事の期間中に住む家が必要で、できるだけ工事の期間中も幸せに行きたいよね!ってことで、デカルトさんは三つの格率(自分の持つ行為規則)を定めた。
いや、デカルトさん!規則とか格率とかいっぱいあるやんとか思いつつも、一つずつ見てみる。
第一の格率は、わたしの国の法律と慣習に従うことだった。
(中略)
第二の格率は、自分の行動において、できるかぎり確固として果断であり、どんなに疑わしい意見でも、一度それに決めた以上は、きわめて確実な意見であるときに劣らず、一貫して従うことだった。
(中略)
第三の格率は、運命よりむしろ自分に打ち克つように、世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように、つねに努めることだった。
この中で第二の格率の箇所に出てくる面白い例に、なるほど!となった。
それは、自分が進む方向を一番初めに決めた通りに進んでいると、いつまでも迷い続けることはないということだ。
進む方向を何度も何度も変更していると、いつまでも森の中で彷徨い続けることもありうるというのである。
第三の格率は少し耳が痛い。というか「ん?」ってなった。
世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように、つねに努めること。
これはその前の部分に書かれている、運命よりむしろ自分に打ち克つように努めること。ということの言い換えなのだろう。
次に出てくる例を見ればわかりやすい。
「必然を徳とする」ことによって、病気でいるのに健康でありたいとか、牢獄にいるのに自由になりたいなどと望まなくなる。
欲望を持ったところで変わらない現実は受け入れろ!ということですかね。
ここのところは腑に落ちない感じもする。
運命より自分に打ち克つべきか。
それとも自分を強く持って運命を変えようと努めるべきなのか。
どっちがいいのかは今の僕にはわからない。
続く
残りの三部は後編の記事で紹介します!
「我思う故に我有り。」は後半に出て来ます。お楽しみに!
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